今年も、心踊る桜の季節が過ぎ、
つい先日まで、QEDクラブの玄関先では
美しい藤の花がお客様を
お迎えしておりました。
そして、今はまさに、ガーデンには
新緑が目に眩しい季節の到来です。

太陽の日長変化、
地球に届く太陽の光量に関わる暦、
二十四節気において、
現在はちょうど穀物を潤す、
雨が降る＜穀雨＞の時期。

二十四節気とは、
春夏秋冬を6つに分けることで、
１年を二十四に等分し、
それぞれの季節に相応しい名が
つけられています。

季節の訪れを一歩先んじて
察知することができる暦、
農耕作業をすすめるためには、
今も欠かすことのできない暦、
と言われています。

また、さらにその二十四節気の
各一気(約15日)を約5日ごとに
初候、二候、三候と3等分し、
1年を七十二に分けた＜七十二候＞。

ウグイスが鳴き始めるという意味の
「黄鶯睍睆」(こうおうかんす)のように、
それぞれの季節時点に応じた自然現象や
動植物の行動を短い言葉で表現し、
季節の移ろいを子細に示しています。

本日、5月4日は、
「牡丹華」 （ぼたんはなさく）
牡丹の花が咲き始める時期に当たります。

牡丹は、ウェディングパーティーの
装花でも人気の花材、
芍薬と同じくボタン科ボタン属のお花。

そして、芍薬と言えば、
昨年の5月に行われた、
とても美しったあるお客様の
ウェディングパーティーの
ことを思い出します。

QEDでは、グリーンや
お花でデコレーションされた
アーチの前でセレモニーを行う方が
多くいらっしゃいます。
どのアーチも、毎回、　
おふたりらしく本当に素敵ですが、
こちらのお客様は、
芍薬をふんだんに使用した
アーチの美しさは格別でした。

さまざまな枝物や葉物をベースにして、
複雑な色のグリーンアーチを作り、
QEDのお庭にそのまま
生えていたかのような、
自然なイメージで制作されたアーチ。

芍薬は1本ずつ等間隔で入れるのではなく
グリーン面に負けないように、
数本まとめて色の塊として
入れて遠くから見ても
はっきりとわかるようにして
生けられていました。

淡いピンク系を中心に白、
ベージュなどの芍薬が
咲き誇るアーチの前で、
ご新婦様がお召しになったのは、
ヴィヴィアン・ウェストウッドの構築的な
フォルムのウェディングドレス。

凛とした美人でいらっしゃる花嫁様に
大変よくお似合いで、
アーチの前のお姿が、それはそれは
美しかったこと、
今でもよく覚えています。